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■上2枚はチャイロアサヒハエトリの幼体、体長約3ミリ。体長とは、頭胸部先端から腹部末端までの長さ。 |
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■上3枚ともチャイロアサヒハエトリ♂成体約7_。 成体になる手前の個体を亜成体という。亜成体になるまで♂か♀かの区別はできない。クモ研究の千国(ちくに)安之 輔氏によると、ジョロウグモの♀は8回目の脱皮で成体に、♂は7回目の脱皮で成体になるが♂♀の区別ができるよう になるのは6回目の脱皮からだと言う(脱皮の回数は個体の捕食量にもよる。以上は「クモの一生」偕成社)。従ってチ ャイロアサヒも何回目かの脱皮で♂の亜成体となり、上写真の成体♂のように腹部を細く第一歩脚を体長の約1.3倍ほ どに最終脱皮するものと考えられる。 |
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■シラヒゲハエトリ♀約8ミリ。 大概クモは初夏から夏に孵化し幼体・亜成体・成体のいずれかで越冬し、その年の初夏から夏に一生を終えるものだ が、シラヒゲハエトリとモンシロコゲチャハエトリの場合は違うようだ。 シラヒゲはWeb上の「クモ生理生態事典」(編集/池田博明氏)によると、♀は幼体で2度にわたって越冬し3年目に成 体となり一生を終えるようである。 モンシロコゲチャに関しては千国安之輔氏が観察している(「クモの一生」偕成社)。♂は6回、♀は5、6回の脱皮で 成体になり、夏に産み付けられた卵は2週間で孵化し、秋までに2、3回脱皮し幼体で越冬、翌年の夏この幼体は3、4 回の脱皮をして成体となる。この成体は越冬して、孵化した翌々年、つまり3年目の夏に初めて産卵した、と言う。♂3 個体、♀7個体の飼育・観察だったと言うが、中には4年目まで生き続けた個体もいたらしい。 このモンシロコゲチャには会ったことはない。成体でも体長4_ほどの小粒である。これに対してジョロウグモ♂成体10 〜12_、♀成体26_前後は10月上旬産卵、翌年5月中旬孵化、8月上旬♂成体、9月中旬♀成体、交接後9月下旬♂ 死亡、10月上旬♀産卵、10月中旬♀死亡。一年の生涯だが、卵状態7ヵ月。色々である。だから自然は飽きない。 |