生態3 ハエトリ TOP | 江戸と座敷鷹TOP | 江戸大名公卿TOP
■ビンに入れても間歇的に追い駆けっこを繰り返すのみ。餌を放り込むと喰らい付くのは♀だけで、♂は餌に興味を示さず、餌を喰っている♀を追い回していた。06.03の午後に♀を同居させ、♂は06.08の早朝まで♀を追い駆けていた。4日余りを経ても状況が変わらない。両第一歩脚を欠くのが原因と思った。なんとか子孫を残させてやりたい不遜の一念も、ここに至って崩れた。残念だったが、♂を解放した。そして06.08の早朝、新たな♂成体6_余りを井の頭公園から奪取して来たのだった。
■上の写真2枚ともクリック拡大。新♂を同居させたのは、♀にコバエを与え喰い終わった6月8日午前10時30分過ぎ。♂は♀には見向きせず、逃れるスキ間はないかと激しくビンの中を歩き回っていた。やはり脚が8本あると迫力が違った。この種の♂は特に第一歩脚が長いから一層そう感じられる。昼の12時を15分ほど回った頃、ひょいと見ると♂と♀は別の方向を見ていた。いや、正確に言うと別の方向に頭胸部は向いていた。何もまだ起こってないな、と一瞥してわたしがビンから視線を逸らそうとした時、♂が両第一歩脚を掲げぎみにして妙な走り方で駆け上がってきた。ビンはビンの蓋のほうを底にして置いてあった。理由は蓋を上にして置くと、蓋の裏が見えなくなるからである。この時♀は上に張り付いていた。♂が駆け上がって来たのは♀を目指していたわけで、その走り方はこうだった。基本形はアルファベットの「Z」字のジグザグなのだが、♀がいる場所を円の中心点とすると、同心円を描くように徐々にジグザグに駆け上がってきたのである。もちろんビンの中だから円を描く動きはできないが、半円の2分の1くらいを描く感じでジグザグに駆け上がってきたのである。その時♀は全脚を伸ばして♂を受け入れたのかどうかは、見ていなかったので判らない。ともかく駆け上がってくる♂の姿と、次の瞬間には♀を抱え込んでいる♂の姿が目の前にあったのだ。その♂♀の姿は、わたしに柔道の寝技を想像させ、ただただ関心して見入るだけだった。開始時間は12時18分過ぎくらいか。特筆する点は♂が始終2、3秒ごとに体を上下に揺り動かしたこと。そのためピント合わせはお手上げ状態だった。
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