生態2                                                                                                                          ハエトリ TOP  |  江戸と座敷鷹TOP  |  江戸大名公卿TOP

 
 
チャイロアサヒハエトリ♂亜成体、体長は約6ミリ。画像クリック拡大
 全体に黒ずみ触肢などから♂亜成体と判る。両第一歩脚が欠け、背模
 様の繊毛の一部が剥げ落ちているところから、かなりの闘争を経験した
 ようである。欠けた第一歩脚は根元からではないので、最終脱皮で再生
 するかもしれない。と、記したのが04/06.02(ページの構成を変えたので
 当ページは存在しない)。実は脚が再生するかどうか気になりこの個体を
  井の頭公園から持ち帰っていたのだった。その顚末は以下に。


 

■欠けた脚は脱皮で再生するかもと書いたが、脚の根元近辺だったので
実際のところは、はてな?であった。以下04/06.03の脱皮記録。

脱皮前の経緯を書くと、昨日、井の頭公園から持ち帰りガラスビンに入れ
た。底には乾燥しないよう水に濡らしたティッシュを敷いた。蚊を2匹捕まえ
て入れたが食欲がないようで捕食せずビンの蓋の裏に張り付いていた。
本日早朝、観察するとビンの壁を歩いていたが、蚊は2匹とも生きていた。

午前11時頃観察すると蓋の裏に張り付いていた。蚊は2匹とも元気だ。お
い、どうした、と蓋を叩くとチャイロアサヒ君は底のティッシュにポトリと落ち
そのままの格好で動かない。脱皮を目の当たりにしたことのないわたしは
ビンを3、4回揺らした。彼は死んだように動かない。じっと見ていると彼が
ブレたように2、3重に見えてきた。目を凝らすと、頭胸部の皮が前方へユ
ルユル動いている。同時に腹部の皮が後退し脚がイカのように長くなって
きた。

これは脱皮ではないか!と写真に撮るためピンセットでティッシュごとビン
からソロリと取り出し、カメラを用意した。すでに脱皮が始まって5分ほどが
経過していた。上の写真がその時のもの。
 

 
 
 
 
 
撮り始めてここまで3分経過。時間は11時15分である。ビンからピンセッ
トで取り出した時点で頭胸部の皮は抜けており、腹部の皮は尻に固まって
おり、脱皮の最終局面で初めてカメラに撮り始めたわけだ。仕方がない。

ともあれ、脚先が抜けると脚がゆっくり折り畳まれていった。
 
 
 
この体勢が長かった。死んでしまったのかと、3回ほど恐る恐る脚に触っ
て見た。その度にピクリと動いたのであった。25分間この体勢のままだっ
た。すでに、わたしが調べたいとした問いの答えは明確に出ている。欠け
た脚の完全再生はならず、申し訳程度の再生だった。成体への最終脱皮
のため、この個体はこのままで生涯を終えるのであろう。
 
 
折り畳んだ脚を伸ばしたが、まだ歩けない。歩けるようになるには、あと
10分を要した。下の写真は頭胸部と腹部脚の抜け殻を、置く角度を変えて
写したもの。
 
 
 
 
 
 
上2枚は歩けるようになってから1時間後のもの。剥げ落ちていた繊毛は
きれいな黄金色になった。真上ちょい斜め後方から撮った写真は、このペ
ージの上から2番目の写真と似た角度からのもの。亜成体時代には見え
なかった脚の欠損部分が、プチ再生で見えるようになった。体長は0.5_ほ
ど大きくなったような印象。
 


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