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■ネコハエトリ♀体長9_余り。
 11月の初旬、我が家の庭にいた。大きなハエトリグモだつたので白紙の上で撮影してみた。
 よく糸を吐くハエトリだった。気になるのは、腹部背面の気泡のような泡粒である。推測してみた。腹部背面の真下には
 心臓を囲む心腔がある。クモには肺(書肺)と気管があり、それぞれの呼吸口は腹部下面にある。肺から酸素をもらった
 血液は心臓へ向かい、心臓はポンプ仕掛けで体の隅々へ血液を送り込むわけだが、クモの循環器は開放血管系のた
 め末端へ行くと血管がないので体の中へ流れ出す。それによって血液が体の隅々へ沁み込み、末端細胞に酸素を渡
 すという仕組みになっている。
 気管について。昆虫は気管呼吸である。昆虫の場合、気管は毛細気管となって体の隅々にまで入り込んでいる。気管
 呼吸は酸素が直接細胞に渡されるため肺呼吸とは異なり、激しい運動をしても息切れせずにハチやトンボその他は空を
 飛ぶことができる。クモは気管の発達があまりよくないので肺も必要となる。
 さて、写真の泡粒である。実は写真を撮る際にクモに色々な格好をさせたいので水喜は指の腹でちょっかいを出す。個
 体によっては怯えて固まるものもいるが大概の個体は反応がいいのだ。写真の個体は極めて反応がよく結構いじったの
 である。そのために心臓のポンプ圧が急上昇したと思われる。よって背面の薄いミクロン単位の皮膜の孔から体液が沁
 み出たのではないか、高い血圧のため泡と膨らんだ、そう推し測っている。


 
04/01.02、井の頭公園。木に巻き付けてある木の名前を記したプレートをずらすと、樹皮の凹みに薄い袋巣があった。
 木の名はミズキ、わたしと同名。プレートは南西に向いていた。袋巣を造っていたのは体長4ミリほどのミスジハエトリ。

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