幕末・万延元年(1860)の天気                                                江戸と座敷鷹 | 江戸大名公卿net

 
 

日の出時
平均温度

午後2時
平均温度

最高温度  最低温度  晴天数  曇天数  雨天数 

降雨量
(センチ)

雪日数 

積雪量
(センチ)

地震数 

1月 

−1.1 

8.3 

15.0 

−7.7 

19 

9 

3 

- 

- 

- 

1 

2月 

0 

8.3 

14.4 

−7.2 

14 

12 

2 

1.3 

1 

5.1 

1 

3月 

4.4 

10.5 

20.5 

−1.1 

9 

4 

18 

16.5 

3 

3.8 

2 

4月 

9.4 

17.8 

24.4 

2.2 

16 

5 

9 

8.3 

- 

- 

- 

5月 

14.4 

20.5 

26.7 

6.6 

18 

- 

13 

41.9 

- 

- 

2 

6月 

19.4 

24.4 

30.6 

12.2 

10 

7 

13 

47.6 

- 

- 

11 

7月 

23.9 

27.8 

33.3 

17.2 

17 

1 

13 

21.0 

- 

- 

4 

8月 

23.9 

30.6 

33.3 

20.5 

21 

4 

6 

2.7 

- 

- 

2 

9月

22.2 

26.7 

31.7 

16.6 

14 

4 

12 

5.7 

- 

- 

2 

10月

13.9 

21.1 

28.9 

10.0 

15 

6 

10 

19.1 

- 

- 

2 

11月 

7.2 

14.4 

20.0 

2.2 

18 

7 

5 

12.7 

- 

- 

4 

12月

3.3 

10.0 

21.7 

−5.5 

19 

5 

7 

8.9 

1 

2.5 

1 

天気は東海道神奈川宿(現、横浜市神奈川区)のもの。華氏は摂氏に、インチはセンチに換算して記した。出典は「幕末日本探訪記」(ロバート・フォーチュン著、三宅馨訳、講談社学術文庫)。

◆万延元年は3月18日から始まり、それ以前は安政7年となる。安政7年3月3日は井伊直弼が桜田門外で暗殺されている。当時は太陰太陽暦なので閏月は3月となっているが、上記の月はグレゴリオ暦(太陽暦)で記されている。
 記したのは神奈川(東海道神奈川宿)に滞在していたアメリカの医師で宣教師のヘボン博士。「幕末日本探訪記」の著者ロバート・フォーチュンはイギリスの園芸学者で、万延元年(1860)から1年余り日本と清国の首都を中心に植物採集旅行をし、その際に世話になったのがヘボン博士であった。そして、その時の見聞をまとめたのが当探訪記となっている。

 ロバート・フォーチュンは江戸の町を見聞した際に面白いことを記している。その部分を引用してみよう。
 「通りすがりに肉屋(ももんじ屋、江戸時代の獣肉を売る店)も目にとまった。(中略)それらの店では牛肉は目に入らなかった。それに日本では羊を見かけなかったから、もちろん羊肉も見ることはできなかった。だが、鹿の肉はどこにもあった。
 ある店では猿が目についた。(中略)猿は皮を剥ぎ取られていたが、人間の種族に類似しているだけに、非常に気持がわるかった。(中略)もっとも、その気持がわるいという感情と、食欲とは関係がない。実は私も以前ひどく空腹の時に、この人間に似た猿を食ったことを白状しなければならない」
 「道ばたに、人や馬が履き捨てたわらじが散乱しているのに気が付いた。馬も一様にわらじを履いて、擦り切れると、別のと取換えて、古いものは路上に投げ捨てておくのである」
 江戸人は鹿を普通に食べ、時に猿も食べ、馬にはわらじを履かせていたのであった。

 















馬のわらじ
歌川広重
「名所江戸百景・四ツ谷内藤新宿」
安政4年(1857)