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■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

朝顔売
 朝顔は五月半ばより売り出し、八月前までを限りとする。すべて朝顔は土焼(どやき)の小鉢に入れてある。花色は紅、白、瑠璃、浅黄、柿色、花模様は縁(へり)とり(花弁の周辺だけ色が異なる)、絞り(しぼり、花弁の色彩が入り交じっている)と色々ある。輪は大鉢のものがよく売れる。
 鉢の中身は入谷浅草辺りの古い土溝(どぶ)の土で、よく涸(か)らしたものを鉢に入れ、種を蒔き付けて花を咲かせるという。されば花に価値はなく、土と鉢の値で商うのだと聞く。
 毎朝未明より担(にな)い、正午(ひる)までに売り切って帰る。朝露を含んだ花の姿は、短い夜の眠たい目を覚まさせるので、人々は争って求めるのである。

 当時は朝顔見物に入谷へ行く人は実に稀であった。また武家方にては手作りの名花を育てて、知己や縁辺の者へ贈ったりした。これらの花のなかには、まことに目が覚めるようなものがあった。

医師の往来
 医師の回診を「お医者のお見舞い」といった。医師に御殿医(ごてんい)、御抱え医、町医(まちい)の別がある。違いは町医者が見舞いに出掛ける様態にある。もし医者が歩いて出掛ける時は、薬籠という薬箱を挟み箱に入れ、これを供人に担わせる。駕籠に乗って出掛ける医者は駕籠の内へ薬籠を入れる。駕籠かきを陸尺(ろくしゃく)という。医者の駕籠をかく陸尺は、陸尺のなかでも強(ごう)の者を選ぶ。医者の駕籠は早さを第一にするという。足の運びが調子よく行くように駕籠の揺れを陸尺は腰で調節するのだという。
 夏に限って陸尺は、医者の家の印を染め出した腹掛けをしたり、高価な一文字の笠を被ったりする。御殿医は徒士二人、駕籠脇に従う侍二人、杖持一人、長柄の傘持一人、草履取一人、挟み箱一人、 物持一人、合羽籠担い一人、陸尺は四人以上の供揃いで出掛ける。これは日常の供立(ともだて)である。