■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

暑中見舞
 毎年六月の大暑の候(こう、気候のこと)になると御機嫌伺(ごきげんうかが)いの儀(ぎ、ことがらの意)、上はやんごとなき(畏れ多いの意)歴々方(れきれきがた、昔から高い家柄の方々)から下々にいたるまで贈答の礼がある。文使(ふみつか)いより進物使いが多いのは五節句と同じで、江戸市中は進物使いが盛んに往来している。その進物は銘酒、団扇、葛氷砂糖氷掛け菓子、砂糖漬干菓子(さとうづけひがし)、果物の桃、瓜の類いが多いという。

祭礼前後子供遊び
 町々揃いの染め浴衣、染め手拭を始め、白足袋裸足(しろたびはだし、草履は履かない)で麻の襷(たすき)に色々な手遊び物や鈴を結び付け、縮緬で色交じりの褌(ふんどし)を三、四筋ずつ締め、褌の前の垂れと後ろの結びを長く垂らす。これに天鵞(びろうどの腹掛け、半纏(はんてん)などを着て遊ぶのである。

万燈長提灯(まんどうながちょうちん)
 揃いの印を書いた長提灯は、子供用として別に貼ったものを作る。万燈(仏前にともす多くの燈火)の大きいのは長さ六尺横三、四尺四方、小さいのは半紙一枚くらいのものを作る。そして各々が年齢相応の提灯を持って走り回る。数十より百余燈が揃う時は輝いて見える。

花出し
(たけ)五、六尺ばかりの花山車(はなだし)の上に薄花(すすきばな)、月石台(つきせきだい)、牡丹、蝶、あるいは頼朝が鶴を放っている人形などを飾る。囃台(はやしだい)には八、九歳くらいの子供が乗って太鼓を打つ。十五、六歳くらいを頭として山車を引く。花笠などを被った子供たちが、山車に多く付いて隣町へ引き回す。この山車は牛に引かせない。