■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

ぢゃん拳
 男女とも数人で遊ぶ場合は必ずぢゃん拳ということをして、その役を決める。ぢゃん拳は右の手を握り、「チイ、リイ、サイ」と言いながら三度振って指を開く。五指をみな開くのを「紙」とし、母指人さし指の二本を出し残りの指三指を握るのを「鋏(はさみ)」、五指みな握るのを「石」とする。
 紙は鋏に負け、鋏は石に負け、石は紙に負けるという決め事がある。負けた者は人が嫌う役に当たるので泣き出す者などがある。そんな時は年長の者が調整する。これは男女とも同じである。

 すべて往来遊びは男子十五歳以下、女子十四、五歳までとする。大概同じくらいの年頃の児童が組み合って遊ぶのであるが、何を遊ぶにしても男女が組み合って遊ぶことはない。

子をとろとろ 女子遊び
 ぢゃん拳に負けた者が鬼となり、勝った者は親となる。この二人は年長の女子で、年少の女子はみんな子となって親の後ろに付き従う。親は両手を広げて子を鬼に捕まえさせないよう防ぐ。鬼は親の後ろの子を捕らえようとする。鬼がすべての子を捕らえた時は勝ちとなり、鬼は今度は親に代わり、これまでの親は鬼となる。そんな遊びである。

お山のお山のおこん三 女子遊び
 年長の女子一人が親となり、年少の女子を後ろに隠して立ち塞がる。また、親と年が相応する女子一人が年少の女子を連れて、親の女子の前へ歩み寄り、「お山のお山のおこん三は」と問う。親が、「居ません今そこまで行きました」と答える。これに対して、隠せる者の足の見えるのを咎めるなど双方の問答に繰り返す。相手の問いに答えられなくなったほうが負けとなる遊びである。