■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

富士仙元大菩薩(ふじせんげんだいぼさつ)
 毎年六月朔日は、早朝から江戸の町屋の家々は軒下に線香を点じる。これは富士浅間宮(あさまぐう)へ奉るのだという。されば江戸における浅間宮の信仰の篤さが知られる。また一つにはこの線香は富士山宮に奉るのではなく、地の神を祭るものだともいわれる。いずれが正しいか判らない。

富士詣
例年葉月(はづき、八月、水無月の誤りか?)朔日は山開きなので、深川八幡宮社内の富士駒込の富士や、浅草富士横町の富士大菩薩その他のの富士浅間を祀る諸社内寺内などは群集で溢れ返る。いずれの富士祭りでも麦藁(むぎわら)で作った蛇を売る店が立ち並ぶ。この蛇を買って家に置けば火を防ぐことができるとして、江戸で火災が多くなる頃より、みんなが買い求めるようになる。

孩子(こども)遊び
 
例年季節によって子供の外遊びも替わるものだ。廃(すた)れる遊びがある一方、毎年巡って来る同じ遊びもある。毎年行われる遊びを数あるなかから一、二紹介しよう。その他は略そう。
 戸外往来に出て遊ぶのは春の末から秋の初めまでだが、大通りの通行が頻繁なところで遊ぶ子供はいない。遊ぶのは横町や河岸端に限られる。