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■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

四月の売物
 
(にな)い売りの魚屋が初鰹を季節の売り物とするのは、古人の句にあるように新鮮な鰹を厚切りの刺身に作り、本場の山葵(わさび)、本場の醤油で江戸ッ子に喰わせてやるためである。鰹を売る魚屋も江戸訛(なま)りのベランメヘ調で、負け引きなしの商いは御得意様の御承知のとおり日本橋近辺を回るうちに盤台(ばんだい、浅くて大きな楕円形のたらい)を空にするのだが、繁昌は中くらいとするのはこの(初鰹の売り方)ためである。

苗売り
 蜜柑箱のような箱を糸立莚(いとだてむしろ、糸を入れておくむしろ)で四方を包み、三ツ重ねにした大中小の箱を天秤に掛け、田舎から遣って来た声で朝顔の苗や夕顔の苗、玉蜀黍(とうもろこし)の苗、糸瓜(へちま)の苗、茄子(なすび)の苗、唐辛子の苗、瓢箪の苗、冬瓜の苗など、看板に偽りのない苗売りは手拭を唐茄子被り(手拭をあごの下で結ぶ)にして、この頃より毎日売り歩く。

植木屋
 「うえーき花アうえ木やアうえーきあ、うえーき」と呼ぶのは金銭花(きんせんか)が季節の売り物で花が今盛りである。老若男女はその他の遊蝶花(ゆうちょうか、パンジーのこと
、延命菊(えんめいぎく、ひなぎくの別名)などの土鉢(どばち)仕立ての草花を見るより買い求める。肘掛けの小窓口などに並べ置いて楽しむのである。寸地も余地がない町住居(まちすまい)の花園は、この土鉢の草花である。