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■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

上巳(じょうし、雛祭の意)節句前の売物
 この頃は暖気が日々に増す麗(うらら)かにして桃花、桜花、山吹などを荷籠に挿(さしはさ)んで、早朝から、「花イ花イ」と呼びながら花鋏(はなばさみ)の音をチョンチョン鳴らして来る花売は、一年のなかで春の花の商いが一番盛んだとしている。殊に弥生雛祭に供える桃や桜の花はなくてはならないもので節句前には一段と忙しくなる。
 もちろん諸侯方旗本衆の奥向きへは、定まった御出入の商人が花をたくさん納めるが、この荷籠を担(にな)った花売は商いの定まった区域を売り歩くのである。

桜草売
 「エー桜草や桜草」と声高く呼ぶ植木屋が担い売りするのは、戸田河原辺りに生い繁る桜草で野生の花である。かの大久保辺りで種を選び根を吟味して造る名花大輪ではない。土焼きの小鉢に植え付けて、ふさふさとした薄紅(うすくれない)の花弁で姿がやさしく、士女が育てるより買うことの多い花である。売り声も鄙(ひな)びていて都の春に趣きを添えてくれる。すでに桜草売の手踊り振事(ふりごと)すら作られているほどの人気だ。

■野菜売
日々得意先を担い売りして売れる品に胡葱(あさつき)がある。上巳雛祭にかかわらず上巳佳節(かせつ、めでたい日の意)の売り物といえる。その他に筍を始め慈姑(くわい)、蓮根など雛祭の重箱詰めとなる品々がある。