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■江戸年中行事&風俗                                                   江戸と座敷鷹TOP  江戸大名公卿TOP

彼岸
 
彼岸詣でといって諸方へ善男善女が出掛け、町方では萩の餅団子、五目寿司、、茶飯餡かけ、豆腐精進揚げなどの食物を調理して、向こう三軒両隣を始め家主や長屋の差配人、子どもの師匠へも配るため、往来は格別賑やかである。

十軒店雛人形市(じゅっけんだなひなにんぎょういち)
 十軒店市は往来左右へ床店(とこみせ)が出ている。その長さ一丁余りある。これを中店(なかみせ)という。両側の常にある店と中店と、合わせて四つの店並びとなり、その中間を公道とする。
 五月端午の幟兜(のぼりかぶと)人形市も同じ店並びなり。雛は毎年二月二十五日より始め三月二日に終わる。端午の幟は四月二十五日に始め五月四日に終わる。この混雑は昼夜夥(おびただ)しく喧嘩も起こり懐中物を狙う盗人も多い。
 人形商人は人形の価格を高く吹くことが巧みで、客もかねて承知のことなので双方の懸け引きは名物といえる。ほどよく値が折り合い金子を渡そうとして懐中を探ると金嚢(きんのう、さいふの意)がいつの間にか盗まれていたり、漸く買った人形を喧嘩に巻き込まれて壊すなど、田舎客の目の回るような混雑である。

豊島屋の白酒
 
神田鎌倉河岸の豊島屋十右衛門は名の知られた酒店である。この河岸に鍵の手に十字の印を染め出した暖簾を掛け、米店、金物店、荒物店、居酒屋店などいずれも大きな店構えをしているのはみな豊島屋の一族である。ゆえに鎌倉河岸といわず豊島河岸と俗にいう。三月雛祭に使用する白酒を売り出すが、この店の白酒は独特の醸造で無類の味わいなので大名旗本からも御賞美がある。ゆえに白酒の売り出しは店前に人山ができ我先に争い求める。絶倒する客があるので医師が気付け薬を準備し控えるほどである。
 以前は浅草並木に山川屋と呼ぶ酒店が白酒の名店と聞こえていたが、今は絶えてしまった。